恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「バレるのも時間の問題じゃない?」
さくらがギョッとするようなことを言うからあたしは慌てた。
「……それは困るっ…」
視線の先の彼の名前は――早瀬佑真(ハヤセ ユウマ)
あたしは彼が好きだけど、バレてはいけない理由があるのだ。
「瑠依ーTバチたのむー」
噂をすれば、ほら。
投球練習を終えた佑真が、肩にバットを乗せながら歩いてきた。
「りょーかいっ!」
これはいつものことで。
あたしは黄色いプラスチックケースを引きずって来ると、そこに跨ってドカッと腰を下ろした。