恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
こんな風に悪びれず、シレッと言われちゃったら何も言い返せないもん。
でも不思議と嫌な気持ちにもならない。
「よく言われる。あんま意味わかんないけど」
エビくんはいつもと変わらない顔で首を傾げた。
クールだし一人でいることが好きなのに人望はあって、秀才なのにガリ勉じゃなくて。
少年野球時代も、みんながワイワイやってる時でも自分のペースを崩さなかったっけ。
「とにかくごめんね、あたしのせいで。さくらが、誤解って騒げば騒ぐほど収集つかなくなるなんて言うから、積極的に否定しにくのもどうかと思って」
「それは一理あるな」
エビ君は頷いた。
「でもそれで不都合なことになったりしてない?」
「別にない」
「それなら良かった」
「……あ、でも」