恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

こんな風に悪びれず、シレッと言われちゃったら何も言い返せないもん。


でも不思議と嫌な気持ちにもならない。


「よく言われる。あんま意味わかんないけど」


エビくんはいつもと変わらない顔で首を傾げた。


クールだし一人でいることが好きなのに人望はあって、秀才なのにガリ勉じゃなくて。


少年野球時代も、みんながワイワイやってる時でも自分のペースを崩さなかったっけ。


「とにかくごめんね、あたしのせいで。さくらが、誤解って騒げば騒ぐほど収集つかなくなるなんて言うから、積極的に否定しにくのもどうかと思って」


「それは一理あるな」


エビ君は頷いた。


「でもそれで不都合なことになったりしてない?」


「別にない」


「それなら良かった」


「……あ、でも」
< 300 / 486 >

この作品をシェア

pagetop