恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

あたしは……

声すら出せなかった……


佑真はあたしとエビ君が付き合ってると思ってて。


それに対して怒りをむき出しにしているんだ…。


「ここ最近バカみたいに張り切ってると思ったら、エビと付き合い始めてただ浮わついてるだけだったんだな」


佑真は少しの嘲笑を含みながらそう吐き捨てた。


「……」


エビ君に言葉を返すこともなく、あたしにだけ刃を向ける姿勢にもう一つ分かったことがある。



佑真の感情の中に、間違ってもあたしはいない。


苛立ってるのは、決して同盟を破ったことじゃない。


あたしが、佑真からエビ君を取ったから……。
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