恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
呆然とその姿を見送っていると、やがて2人の姿は見えなくなった。
足元に転がされたお守りを拾い上げようとして。
「………、」
あたしはそのまま地べたに膝をついた。
今回はあたしが作ったって暴露しても、嫌がらずに受け取ってくれたのに。
紐が切れるなんて。
だめじゃん、あたし。
「どうして……こうなっちゃうかな……」
あたしがしてきたことは、結局裏目にでちゃったんだ……。
いま起きたことが嘘であってほしい、夢であってほしいと思うのに。
手の中のお守りが、それを現実だと伝える。
だんだんと、そのお守りが滲んで。
「うっ……ううっ……」
ポタポタと落ちる涙で生地を濡らしていった。
"――マネージャーなんて辞めてくれよ"
こだまの様に繰り返す残響が、いつまでも耳から離れなかった。