恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「佑真のために……我慢して……何事もなかったように部活に出てんだよっ!」
「……うそ……だろ………」
――違う。
瑠依には……
ただ、野球より大事なものを作ってほしくなかったんじゃない。
瑠依だから……。
瑠依に男が出来るのを見たくなくて。
俺が瑠依を……そういう約束で縛りつけたかっただけなのかもしれない――
「オマエが増田さん傷つけてどうすんだよっ!!!」
イラついてたのだって、大事なバッテリーを瑠依に取られたからじゃない。
瑠依が、エビを選んだと思ってたから――
――ガシャン
俺の手から離れた自転車が、真横に倒れた。