恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
4時半ころに家に着くと、ガランとした風景があたしを出迎えた。
そう言えば、お母さん、パートしてるんだっけ……
部活に明け暮れる毎日で、帰ればお母さんがいるのが当たり前だったから、パートに行っていることすら忘れかけていた。
早く帰っても何もすることがなく、ドラマの再放送や夕方の情報番組をぼーっと目に映す。
気付くと、日は傾きかけていてリビングに西日が差しこんでいた。
「瑠依が一緒に夕飯食べるなんて久しぶりね」
最近は一人で遅くに食べていた夕飯を久々に家族と囲み、お母さんはなんだか嬉しそう。
それとは真逆の心を抱えたあたしは「たまにはこんな日もあるよ」なんて軽く交してご飯を口へ運んだ。