恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

4月――


あたしの中ではあの時からすべてが止まったままなのに、確実に時は流れていて。


3年生に進級した。




佑真の謹慎は10日間だった。


それが明けたらすぐに春休みに入り……。



どうにか佑真と話をしようとしても、電話にも出てもらえず、家に行っても応答してくれることはなかった。


春休みが明け、それでもあたしを避け続ける佑真に、いまだ話かけることも許されていない。



ただ毎日、出てくれることのない電話を掛け続けているだけ……





「瑠依、なにぼーっとしてんの?1限目体育だよ?」


「あ、そうだった!」


さくらに言われてあたしは慌てた。


朝練終わりのさくらは、その流れで既にジャージ姿。
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