恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「ねえ……本気で言ってるの?」
嘘だよ。
佑真はこんなこと言う人じゃなかった。
「ああ。だって今しか出来ねえだろ、こんなこと」
「………」
「色んな制限から解放されてむしろせいせいしてる」
それを象徴するかのように、やっぱり染めたんだと分かる長い前髪をつまんだ。
「…嘘だ、そんなの嘘に決まってる!」
野球を否定する言葉に、怒りと悲しみで体が震えた。
こんな言葉が佑真の口から出てくるのが悔しかった。
「佑真が野球をやめられるはずないっ!」