恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「……っ…」
気まずい空気がこの場を包む。
どうすることも出来ないあたしは、ただ俯くだけ。
「ね、こんなとこにいないで早く帰ろう?」
察した彼女が素早く佑真の腕に手を絡めた。
「ああ」
その行為をすんなり受け入れた佑真は、くるりとあたしに背を向ける。
―――と。
一歩足を踏み出した佑真が、ふと、足を止めた。
上履きがキュ…と音を立てる。
「もう……やりたくねえんだ。
……頼むからほっといてくれ……」