恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
それから何分経過したかわからない。
生徒たちの姿は綺麗になくなり、途方に暮れるあたしだけが一人残された。
すべてが幻想に見えた。
佑真と過ごした時間は幻だったのかもしれない。
築きあげてきたものなんて、何もなかったのかもしれない。
絆なんて……
生まれてなかった……?
互いに相手を思って自分を犠牲にした2人の間には……
なにも残らなかった……?
グラウンドの外の景色は、涙で滲んで見えた。