恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

「ただいまー」


今日もいい疲労感を得て家に帰ると、玄関に見慣れないスニーカーが3足揃えてあった。


「お客さん?」


そう問いかけながらキッチンへ向かうと、お母さんは案の定せわしなく動いていた。


「あらお帰り。悪いんだけどこのから揚げ持って行ってくれる?」


「もー人使い荒いんだから」


笑いながらから揚げの乗ったお皿を受け取り、リビングへ向かう。


料理が所狭しと並んでいるテーブルの周りには、まだ制服に着られているような男の子が3人座っていた。


「こんばんは。ゆっくりしていってね」


「「「お邪魔してます」」」


男の子たちは律儀にペコリとお辞儀した。
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