恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

頭を下げてきたのは、2月に佑真と一緒に行った少年野球のグラウンドにいた1番君。


他の2人にも、見覚えがあった。


「わ~、制服着てるから分からなかったよ!」


学ランに身を包んだ1番君は、あの時よりずっと凛々しくなった気がする。



3人は少年野球を卒業して、同じ中学に入り野球部で頑張っているのだという。


そして早速1番君の武勇伝を聞かせてくれた。


「1年生はまだベース内に入れないっていうのに、マウンドに立って先輩キャッチャー座らせて投球練習始めたときは、俺マジでヒヤヒヤしたんだからな」


「そうそう。3年生なんて口あんぐりあけてたよな。一緒にいる俺らまで同類にされたらたまんないっつうの」


2人は呆れて言ったのに


「俺その辺の先輩ピッチャーより実力あると思うし。だったら遠慮なんかしてないで最初から球見せに行った方が筋通ってるだろ」


1番君…涼太君は得意げだった。


佑真に褒められた負けん気とふてぶてしさは、健在のようだ。
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