恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「じゃあ、早瀬投手の野球はもう見れないんですか?」
「……もうね…野球…やりたくないんだって…」
でも、やっぱり口にすると悲しいことに変わりなかった。
悲しいというより、淋しいんだ。
数日前の佑真を思い出す。
あの様子を見る限り、今はとてもじゃないけど復帰の可能性は絶望的に近い。
そんな中でも時間は刻々と過ぎている。
…現実的に、もう、諦めるしかなかった。
3年生の佑真には、時間がないから……。
「それ、嘘ですよ」
あたしが悲しみの嵐に襲われている中、涼太君はきっぱり言い切った。