恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「はぁぁ…」
そんな姿に、佑真は呆れたように深いため息をひとつ。
「……そんなに股をおっぴろげやがって…」
「きゃぁー、佑真のえっち~」
どこ見てんのよー、とわざとらしくトーンをあげて足を閉じれば
「女みてぇな声出しやがって、キモイ」
「こんっの――!」
聞き捨てならない台詞を言うから、硬球を佑真の足めがけて投げつけた。
「痛ぇっ!俺の軸足になにしやがる!」
太腿に当たったそれは、跳ね返ってコロコロと地面を転がっていく。
「うるさい!ごちゃごちゃ言わずにとっと構えろ!」
「おっかね~!」
――いつもと変わらない
放課後のグラウンド。