恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
嘘だけど。
したくても誰かさんのせいで出来ないんだよ、ばか。
「ふーん。お気楽な女子高生だこと」
「………」
軽く横目で睨んでみたけど、佑真はそんなことに気づくはずもなく、ひらひらと手を振って部室に戻っていった。
ばかばかばか!
佑真のばかやろう!
佑真なんてほんとに行き遅れてしまえぇぇぇっ!
両手にウォーターキーパーをぶら下げたまま、あたしはそんな佑真の後ろ姿に向かって蹴りを入れた。