恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「え…?」
「早瀬投手、野球がやりたくてたまらないはずです」
「ど、どうして…?」
根拠が分からず言われても、あたしは戸惑うだけ。
目を丸くするあたしに、涼太君はそれと対照的な目を向けた。
それは今でも尊敬してやまない佑真に向ける、憧れを含んだ目。
「毎日自主練しに来てるから」
「じ、自主練…?それっ、どういうこと!?」
思わず涼太君の両肩を掴んでしまった。
だって、自主練って……。
「俺、早瀬投手が通ってた中学に通ってるんです」
「そうなの?」
「野球部に入部して間もないころ、俺らが練習を終えるのと入れ替わりに早瀬投手がグラウンド現れて……」
「……佑真が……?」