恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
野球をやめたいと言った佑真の言葉が、本心だったとしても偽りだったとしても。
"やめちゃいけない"
そうだよ。
佑真は野球をやるために生まれてきたんだ。
少しの才能と、天才的なセンスと、たくさんの努力。
それらが融合して作り上げた軌跡は、きっと佑真はそうあるべきなんだと、神様が与えたモノ。
こんなところで、諦めていいわけがない。
そんなの周りが……
あたしが、許さない……
「涼太ー何やってんだよ」
「あ、わりー今行く!」
涼太君は、向こうから催促した仲間に軽く手を上げた後、表情を戻してあたしに向き直った。