恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

野球をやめたいと言った佑真の言葉が、本心だったとしても偽りだったとしても。




"やめちゃいけない"




そうだよ。



佑真は野球をやるために生まれてきたんだ。


少しの才能と、天才的なセンスと、たくさんの努力。


それらが融合して作り上げた軌跡は、きっと佑真はそうあるべきなんだと、神様が与えたモノ。




こんなところで、諦めていいわけがない。




そんなの周りが……


あたしが、許さない……




「涼太ー何やってんだよ」


「あ、わりー今行く!」


涼太君は、向こうから催促した仲間に軽く手を上げた後、表情を戻してあたしに向き直った。
< 403 / 486 >

この作品をシェア

pagetop