恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

居てもたってもいられず、あたしは庭から自転車を引っ張りだした。


涼太君の話が本当なら、中学校に行けば佑真に会えるかもしれない。


そんな期待を抱いて――…




太腿の筋肉を使えるだけ使って夜道を飛ばす。


「はぁっ……はぁっ……」


激しく打ち付ける鼓動と高鳴る胸がリンクして、あたしを前へ前へ突き動かす。



早く、早く佑真に会いたいっ……。




一度だけ連れて行ってもらった佑真の母校。


なんとか記憶を頼りに到着すると、そこは闇に包まれていた。


道路わきにある街灯が、かろうじて辺りを照らしているだけ。
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