恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
……本当に、こんな暗い中で……?
もう9時過ぎてるし、中学生の部活が終わる時間からすると3時間は経ってる。
さすがに帰ってるよね……
さっきまでの勢いを失い、少し落胆しながら正門前に自転車を止めた。
それでも諦めきれず、そこから張り巡らされたフェンス伝いに歩き、グラウンドを端から端へと目を凝らす。
「……佑真………いるの…?」
フェンスをわしづかみにしながら横に歩いて行く。
―と。
シュッ……
どこからか風を切る音が聞こえてた。