恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「佑真っ……佑真っ……っ…」
溢れだす想いとこみ上げる涙は、あたしの胸をかき乱した。
呼吸が苦しくなるくらい。
佑真が野球ボールを握っている。
それだけのことが、こんなにも心を揺さぶるなんて。
「佑真……佑真あっ……」
何度も何度も佑真の名前をその場で呼ぶ。
何度呼んだって足りない。
大好きな、愛しい人の名前。
胸が、痛いよ……。
胸が、熱いよ……。
初夏を感じさせる熱を帯びた夜のグラウンドで。
あたしはいつまでもいつまでも、フェンス越しに佑真の姿を見ていた。