恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「ごめんなさい。あなたに迷惑をかけるつもりはなかったんだけど」
どっちにしたって反感を買われるようなことをしたのはあたし。
グッと堪えて下手に出た。
「つもりはなくてもかかってるんですけどね。それで、なんですか?」
「…っ。…お願いが…あって」
「お願い?」
「うん。…佑真に、もう一度野球部に戻るように説得してほしいの」
これが、彼女に会いに来た理由だった。
下手にあたしが佑真に言えば、また自分の気持ちを押し殺して反発するに決まってる。
練習しているのを見たなんて言ったら、やめちゃうかもしれないし。
彼女が言えば、佑真も聞く耳を持ってくれると思ったんだ。