恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「だから放課後は、あたしが色んな所に連れて行ってあげてるんです。カラオケとかゲーセンとか」
「……」
「佑真先輩は、女の人と付き合ったことがないみたいなんで、その辺無頓着っていうか、もどかしい所もありますけど」
そう言って、クスッと笑みを浮かべた。
……彼女と別れたあと、佑真は中学校へ行ってるんだ。
彼女は…知らないのかな…。
「それでも……佑真は…野球をやりたがってるよね…?付き合ってるなら……分かるんじゃない?」
「つき合ってるから分かるんです。野球なんかもうやりたくないって」
探るように言ってみても、それらしい反応はない。
ただ勝ち誇ったような顔をしてるだけ。
…本当に知らないみたい。