恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
―――…
「どしたー?そんな怖い顔して」
「えっ…」
「ここんとこ、シワよってる」
黙々と部活の準備をしていると、あたしの眉間に指を伸ばしたさくらは、シワを消すように指でなぞった。
「あっ…」
彼女に会ってからのあたしはひたすら落ちていた。
言われたことは…すべて正論だから。
あたしと、佑真と、野球部……
その複雑なトライアングルを解消しない限り、佑真の復活は限りなく難しい…
それを改めて突きつけられたのだ。
「なんかあった?」
そう聞くさくらは笑顔。
心の中が厚い雲に覆われた今、太陽みたいな笑顔のさくらを見ているだけで少しゆとりが生まれた。