恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
ルールからスコアの付け方まで完璧だったあたしと違って、一から勉強しなきゃいけないことがさくらには沢山あった。
その差をひがんだりもせず、一生懸命覚えようと努力してた。
マネージャーは選手のサポート。地味な仕事が多い。
それでも何事にも一生懸命取り組んで、いつも元気で笑っていた。
そんなさくらだから、こうして今まで一緒にやってこれた。
たくさんたくさん話した。
野球の話をすれば、いくら時間があっても足りないくらい盛り上がった。
……恋愛の話だって。
「話してくれなきゃ部活行かせないんだから!」
さくらはあたしの手首を掴んだまま、上下に揺さぶった。
「………わかった」