恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
あたしは意を決して、足を踏み出した。
正門から堂々とは入れず、裏側に回り職員の通用口からこっそり敷地内に入った。
卒業生でもないあたしはまるっきりの部外者だから、見つかったら不審者で通報されるかもしれない。
注意して足を進めた。
勝手が分からない佑真の母校は、まるで迷路に迷い込んだみたいだった。
なんとかグラウンドに回り込む。
佑真に気づかれないように、そっと近づいた。
トクントクン…
やっぱり佑真は、野球をしているときが一番カッコイイよ。
間近で見る佑真の姿に、自然と胸が熱くなった。