恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
野球部に戻っても
あたしと佑真は……。
もう前みたいには戻れないの……?
やだ、そんなこと言わないでよっ…。
咄嗟に目を開くと、佑真はもうここから離れて部屋を出ていくところだった。
ドアが閉まり、完全に佑真の姿を消す。
「やだっ……」
小さく肩が震える。
涙も出てくる。
「うっ…ううっ…」
恋人にもなれないどころか、もう今までみたいな付き合いも出来ない……。
悲しいけど……
―――悲しくない。
佑真が野球を続けてくれる。
だって、あたしはそれが望みだったんでしょ?
佑真とつき合いたくて、雨の中訴えてたわけじゃない……
佑真が、野球さえ続けてくれれば……
大観衆の中で投げる佑真を頭に思い浮かべ、次の涙をグッとこらえた―…