恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「瑠依、そんなに落ち込むなって!」
さくらが励ますようにあたしの肩を叩く。
「先輩たちも、自分が電話するわけじゃないからって、言いたいことばっか言って。この間の事覚えてる?」
「この間?」
「瑠依が苦労して取ってきた練習試合、勝手にキャンセルしたの」
「あー…うん」
実力もほぼ互角で、過去にも何度か対戦していたから快く相手も引き受けてくれた。
なのに、その日に少しレベルの高い野球部から練習試合を申し込まれ、電話を取り次いだ由美先輩が、そっちにOKを出してしまったのだ。
つまりWブッキング。
当然両校と試合出来るわけもなく、
『監督の都合とか何とか言って、そっちキャンセルして来て』
由美先輩に言われ、、先に取った高校に断りの電話を入れたのだけど……。