恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
ランニングが終わると、全員2人一組になってキャッチボールへと移る。
佑真は足を軽やかに跳ねさせながら、瀬戸君とキャッチボールを始めた。
だんだんと距離を離し、肩をならしていく。
リズムに乗って、ボールが宙を行き来する。
「うわあっ…おめえ高けーし!」
「あはは、ちゃんと捕れー」
取りそこなった瀬戸君に佑真が大声で笑う。
白い歯を零して、体を捻じ曲げて。
「行くぞー!」
何千、何万回と繰り返してきたはずのキャッチボール。
たかがキャッチボール。
なのに、こんなにも楽しそう。
今までずっと一人で練習してきた佑真は、きっと仲間と野球が出来る喜びを感じてるんだ。