恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「すごい化学反応だわ…」
さくらが腕組みをしながら感心する。
「うん……ちょっとビックリ……」
今朝のグラウンドは、昨日までと同じチームだとはまるで思えない雰囲気が漂っていた。
佑真の球をはじめて生で見た1年生の顔はいつもより活き活きとしているし、2年生の顔には安心感が溢れている。
3年生はより一層引き締まって、いつもの倍くらい声が出ていた。
佑真の存在が、一瞬でチームに影響を与えたんだ。
いい方向に。
佑真は本当にすごい奴だよ……
そろそろ朝練の時間も終わりに近づき、あたし達マネは少しずつ片づけを始める。
散らばったバットを整理して、色んなところに転がっていったボールを拾い集めに行く。