恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
すると、
「瑠依」
佑真の近くまで来ていたようで、名前を呼ばれた。
「はっ、はい!」
「プッ、なにその返事」
佑真が吹き出すくらい、かしこまった返事をしてしまった。
だって…いきなり呼ぶんだもん…。
しかもまだ今日は話してないし……
きっと真っ赤な顔を、隠すようにもじもじしていると
「トス上げ」
「……」
「早く」
以前と変わらない顔でトス上げを要求する佑真に、
「う、うんっ、わかった」
もうすぐ練習終了ってことも忘れてダッシュでボールを取りに行った。