恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~


すると、


「瑠依」


佑真の近くまで来ていたようで、名前を呼ばれた。


「はっ、はい!」


「プッ、なにその返事」


佑真が吹き出すくらい、かしこまった返事をしてしまった。



だって…いきなり呼ぶんだもん…。

しかもまだ今日は話してないし……



きっと真っ赤な顔を、隠すようにもじもじしていると


「トス上げ」


「……」


「早く」


以前と変わらない顔でトス上げを要求する佑真に、


「う、うんっ、わかった」


もうすぐ練習終了ってことも忘れてダッシュでボールを取りに行った。
< 459 / 486 >

この作品をシェア

pagetop