恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「またよろしくな、俺の専属」
佑真はそう言ってハニカムと、頭の上に優しく手を乗せる。
優しい熱が、心をくすぐった。
「うん」
親友にはなれないって言われたけど、あたしの心は満たされていた。
今まで当たり前だった日常が、こんなにも嬉しい。
この夏、一番近くで佑真の野球が見られる。
もう一度、佑真と一緒に夢が見られるんだから。
それだけで、幸せ――
あたしはこの瞬間、決めたんだ。
胸を焦がすこの想いは……この夏は置いて行く。
夢を追いかける佑真を、マネージャーとして精いっぱいサポートしてみせる。
これが、最後の夏だから。