恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
目の前には、あたしを見降ろすように立っている佑真。
片方の膝を少し曲げて立つ姿は、まるでモデルみたいに変な色気があって。
「えっと……」
ジャージと練習着の時は部員とマネージャーって割り切れるのに、制服に戻ったあたし達が向かい合うのは久しぶりで、なんだか急に胸がドキドキしてきた。
でも、あの気持ちは置いてきてる。
自分に言い聞かせるように頷いた。
「時間あるか?」
「時間ならあるけど…佑真こそ大丈夫なの?」
今夜は早く帰ってゆっくり体を休めなきゃいけないのに。
「ちょっと付き合ってくれよ」
そう言って、佑真が渡してきたのはグローブだった。
「……」