恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
一瞬、何をするのか理解できなかったけど。
「キャッチボールしようぜ」
「キャ…キャッチボール…?」
「駄目か?」
「ダメか…って。ダメだよダメダメ!ダメに決まってるでしょ?肩だって冷やしたでしょ?マッサージも受けたでしょ?」
明日の決勝先発を言い渡されたっていうのに、何言ってんだろ。
あたしの心配をよそに、佑真は笑う。
「瑠依とのキャッチボールなんて、犬にボール投げして遊ぶのと一緒だって」
「…ちょっと、犬って…」
軽く睨む。
いいからやろうぜ…なんて、あたしの忠告も聞かない佑真はグラウンドに歩いていく。
マネージャーとしては何としてでも止めなきゃいけないところだけど……
あたしの足は、佑真のあとを追っていた。