恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~



祈るように手を合わせて。


瞬きもせず。


呼吸をするのも忘れるほどに。



あたしは佑真だけを見つめていた。





佑真がサインを読む。


一発で首を縦に振って。


エビ君が手を伸ばしてミットを構える。




――その数秒後。



空を切ったバットの後ろにボールが収まった。



瞬間、エビ君が佑真の元へ駆け出し飛びついた。




「ワァァァァァァァ―---!!!!!!」




球場が、揺れた。





外野、内野からも続々と選手が駆けつけ、ベンチからも選手が飛び出していく。

< 484 / 486 >

この作品をシェア

pagetop