恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
祈るように手を合わせて。
瞬きもせず。
呼吸をするのも忘れるほどに。
あたしは佑真だけを見つめていた。
佑真がサインを読む。
一発で首を縦に振って。
エビ君が手を伸ばしてミットを構える。
――その数秒後。
空を切ったバットの後ろにボールが収まった。
瞬間、エビ君が佑真の元へ駆け出し飛びついた。
「ワァァァァァァァ―---!!!!!!」
球場が、揺れた。
外野、内野からも続々と選手が駆けつけ、ベンチからも選手が飛び出していく。