恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
あたしの名前は増田瑠依(マスダ ルイ)
16歳。高校2年生。
3歳の誕生日にもらったのは野球のグローブ。
休みの日には、暗くなるまでお父さんとキャッチボール。
大の野球好きのお父さんは、何を勘違いしたのかあたしを男の子同然に育てた。
名前だって、お母さんが寸前で回避してくれなかったら、危うく『塁』になるところだった。
小学校時代はお父さんが監督を務める少年野球チームに、女の子なのに特例で入部させられた。
『瑠依が高校生になる頃には、女の子でも甲子園でプレー出来るかもしれないだろ?時代は変わるんだ』
なんて平然と言ったお父さんだけど。