恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「集合!」
影が長く伸び始めたころ、キャプテンは全員に招集を掛けた。
いつもより反応の早い選手たちが、持ち場から集まり、学年別に1列に並ぶ。
マネたちも、その横に並んだ。
監督の手には、18枚の背番号。
「今日は夏の大会のベンチ入り発表をする。呼ばれた奴は、前へ」
……いよいよだ。
ドキドキする。
手には汗が滲んできた。
きっとみんなの緊張はあたしの比じゃないだろう。
日々の練習や練習試合だって重要だけど。
やっぱり高校球児なら、夏のこの大会に掛ける想いは誰だって強いはず。