恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「頼んだぞ」
監督に肩をガシッと掴まれる佑真。
パンパンパン…ゆっくり拍手が起こる。
――三浦先輩だった。
それに続いてみんなも拍手を送った。
胸が熱くなった。
三浦先輩は、本当は悔しいはず。
だけど、きっと三浦先輩は心から佑真にエールを送ったんだと思った。
勝負の世界は、年齢も経験年数も関係ない、実力だけが物を言う。
少年野球時代から、それをずっと見てきた。
野球は9人でやるものだけど、その9人を作り上げるのは控えの選手でもあるのだ。
いいライバルに恵まれて、いい選手が育つ。
お父さんがよく言っていた。
たぶん、三浦先輩もそれをよく知っているはず。
もちろん、佑真も。