恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
どうなんだよって、顔の前でマスコットを振られた。
「たまたま取ったら佑真のになったの!」
「じゃあそっちのよこせ!」
「なんでよ!」
ここへきてもあたしのを受け取りたがらない佑真にあたしも意地になる。
「これボールの縫い目が乱れてる!こんなんじゃ俺の投球も乱れる」
「はぁ!?人のせいにしないでくれる!?」
ほんっとに失礼な奴め。
「乱れをこのお守りが全部持って行ってくれてると思えばいいでしょー!」
ふんっとそっぽを向いて、隣のメンバーへと移動した。
でも帰り際、佑真の野球バッグにはあたしの作ったお守りが早速ぶら下げられていた。
なんだか、すごく誇らしげな気持ちになった。