恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

「しゃあーっっす!」


大きな声を張り上げて、一礼。


後攻の城山ナインはそれぞれの守備へと散る。


まだ誰も足跡を付けていない真っさらなマウンドに佑真が立った。


大きく胸を張ってからボールを離す姿は、佑真独特のフォーム。




『プレイボール!』




佑真の持ち味は、剛速球のストレート。


伸びのあるそれには、手も足も出ないバッターが多い。


……が。


準決勝ともなれば、さすが研究されている。

< 96 / 486 >

この作品をシェア

pagetop