水のない水槽
ガタゴトと揺れる電車の中は浴衣のカップルがいっぱいで。
――わたしたちもそう見えるのかな??
手すりに掴まり、前を見つめる先輩の横顔を覗きみる。
「ん? どーした?」
「や、え、えーっとぉ……」
ヤバい、何も考えてなかった……。
そんなわたしの様子を見て、先輩がブッと噴き出した。
「木下ってさ、前から思ってたんだけど、小動物系だよな?」
え?? 小…動物!?
あまりの驚きに思わず、バッと顔を上げる。
真っ正面から見る先輩の顔。
こんなに間近で見たのなんて、中学校の部活以来で……やっぱりわたしは先輩が好きなんだなぁと実感した。
「そ、そんなコトないですよ~。初めて言われましたもん」
「そう? 俺は昔っから思ってたけど?」
語尾を上げて話す、先輩のクセ。
一時期、真似して、まどかに似合わないって言われたっけ。
そんなコトを思っていたら、先輩がこう続けた。
「ホント、雪乃とは大違いだな……」
――わたしたちもそう見えるのかな??
手すりに掴まり、前を見つめる先輩の横顔を覗きみる。
「ん? どーした?」
「や、え、えーっとぉ……」
ヤバい、何も考えてなかった……。
そんなわたしの様子を見て、先輩がブッと噴き出した。
「木下ってさ、前から思ってたんだけど、小動物系だよな?」
え?? 小…動物!?
あまりの驚きに思わず、バッと顔を上げる。
真っ正面から見る先輩の顔。
こんなに間近で見たのなんて、中学校の部活以来で……やっぱりわたしは先輩が好きなんだなぁと実感した。
「そ、そんなコトないですよ~。初めて言われましたもん」
「そう? 俺は昔っから思ってたけど?」
語尾を上げて話す、先輩のクセ。
一時期、真似して、まどかに似合わないって言われたっけ。
そんなコトを思っていたら、先輩がこう続けた。
「ホント、雪乃とは大違いだな……」