彼は私を狂愛した。
「…ありがとう、ごめんな?」
「ううん、大丈夫だよ。…でも店長とは話させてね?(笑)」
「ははっ、当たり前。それより俺が一番気になるのは舜だから」
後藤くんの名前を発した瞬間慧兒の表情が変わった。
「…う、うん」
「だから魅音、ちょっと携帯かして」
「……?」
慧兒に言われた通り私は携帯を渡した。
「舜のメアドと番号消すから。あと着信拒否にしとく」
「え…」
「なに、当たり前でしょ?」
慧兒がニコッと笑った。
「あはは、そうだよね」
どう返せばいいのか分からなくて私はただ笑って誤魔化した。