彼は私を狂愛した。
「ッ....!」
「言い訳禁止。魅音は俺だけ見てればいいんだよ?」
「やぁ...」
慧兒が私を強く抱きしめる。
怖い...怖い....
怖い...!
私は抱きしめる慧兒を思い切り突き飛ばし
店の中へと逃げ込んだ。
「はぁ...はぁ...!」
やっとの思いで中に入ると
後藤くんだけがそこにはいた。
「...なんでっ」
どこにいても怖い。
恐怖から逃げられない。
「魅音ちゃん?どうしたの?」
後藤くんにそう言われたけど私は走って慧兒がいる外に出ようとしていた。
「待って!!魅音ちゃん、なんかあったの?」
外に出る寸前に後藤くんに止められる。
もう...どうしたらいいのかわからない。
涙が両目から溢れ出した。