彼は私を狂愛した。
「み、魅音ちゃん!?」
後藤くんが心配そうな顔をして私の元へと駆け寄る。
「んっ...ごめん。なんでもないの」
必死に涙を堪えて話した。
すると後藤くんは
「なんでもないっていう人ほどなんかあるんだよね(笑)」
と言っていつもの笑顔で私に微笑む。
「なんかあったなら俺に話して?」
後藤くん...。
「わ、私...」
カランカラン~♪
入り口のドアが開いた。
振り向くと慧兒がいた。
「あ...やぁ...」
私は足に力が入らなくなりその場に蹲ってしまった。
「みーおん。帰ろ?」
前から慧兒の声が耳に入り
何回も慧兒の言葉が頭の中で繰り返される。
「...舜。魅音こっちに貸して?」
慧兒が後藤くんにそう話すと後藤くんはなにやら不思議そうな顔をした。
「...魅音ちゃんなんかあったみたいなんでちょっと今はそっとしてあげてください」
「いや、俺魅音の彼氏だから。早く帰りたいなーって思って♪
...だから貸して?」