彼は私を狂愛した。
舜の過去
そのまま後藤くんの腰に掴まっていたら
なんだか懐かしい感じがした。
すごく温かくて落ち着く…。
後藤くんの服からフワッと香水の香りが漂う。
「…後藤くん、ごめんね」
何から言えばいいのかな。
慧兒と喧嘩したこと?
メール返せなかったこと?
…それとも?
「ん?何か言った?あ、魅音ちゃん。着いたよ、降りて」
後藤くんにそう言われ降りた先は
古いアパートだった。
「……後藤くん。ここに住んでるの?」
「うん。汚いけど…まぁ上がってよ?」
「え…⁉︎」
「とりあえず落ち着くまで。大丈夫、何もしないから」
…あ、私なんか変な妄想してたと思われた…⁈
「え、あ、いや!お邪魔します」
「ははは!うん。どーぞ」
そして私たちは
後藤くんの部屋番号が書かれている部屋に入った。