彼は私を狂愛した。
「み...おんちゃん...?」
小さかったけれど微かに私を呼ぶ後藤くんの声が聞こえた。
「よかった...。後藤くん...」
生きていたことが確かだと気づくと涙が止まらなくなった。
「...魅音ちゃん...泣いてばっかだね...はは」
後藤くんが必死に話す。
話さないで...無理して話さないでよ...。
そんな後藤くん見たくないよ...。
「俺、大丈夫だから...ね...?」
そう言って血だらけの手で私の頬を撫でる。
後藤くんが愛しくて....だけど悲しくて
こんな気持ち初めてだよ..._____
私は後藤くんを縛っていたロープの様なものを取った。
後藤くんには
着ていた服と真っ赤な血が絡んでいて
それが直の肌に触れていた。
見ているだけで
痛々しくて...
私は罪悪感でいっぱいになった。