彼は私を狂愛した。
「男と話すの禁止。
あとは…舜。
あいつだけには絶対関わるな。
もし、関わったら…」
慧兒が言い終える前にふと言葉が出た。
「なんで…どうして後藤くんはだめなの…?」
すると慧兒はキッと私を睨みつけた。
あ……
殴られる……!
私は目を瞑った。
覚悟はもう出来ていたから…
「………?」
あれ…?
どんなに長く目を瞑っていても慧兒には殴られなかった。
恐る恐る目を開けてみると
慧兒は笑顔で私を見ていた。
え、なに……?
何かされるの…?
慧兒は私へと手を伸ばし
私の両手を強く掴んだ。