彼は私を狂愛した。

「……もう手はあげない。約束する」



「慧兒…」



その言葉を聞いた瞬間驚きと嬉しさで涙が溢れ出た。


「魅音、大好きだから。
愛してるから、だから俺時々怖くなる」



「え?」



怖くなる……?




「魅音がいなくなるんじゃないかって。もしいなくなったら俺、やっていけるのかなって…」


慧兒が涙目になりながら必死に話す。



「私…そんなことしないよ」



「本当に?」



「え…うん…」



『本当に?』って言った時の慧兒の表情が…怖かった。



「…俺、魅音のこと信じてるよ」



「う…ん」



もしも、この時返事をしてなかったら



どんな未来が待っていたのかな…___
< 140 / 235 >

この作品をシェア

pagetop