彼は私を狂愛した。
絶対に話さない…
慧兒のこと守らなきゃ…
大好きな慧兒を悲しませたくない…
その日、私は慧兒と手を繋ぎながら眠った。
夜中ふと目を覚ますと
横から慧兒の声が聞こえた。
「…うっ…行くな…行かないで…」
慧兒…?
私は慧兒の肩を揺すった。
「大丈夫…?」
声を掛けると慧兒はパチっと目を覚まし
私に抱きついた。
「どうしたの…?」
「魅音が…いなくなる夢みたんだ…」
慧兒が涙目になる。
「私はここにいるよ…?」
ギュッと慧兒を抱きしめた。
「……ん」
慧兒は私の首元にキスをして
安心したかのようにため息をつき
再び眠った。