彼は私を狂愛した。
バイトに行く途中慧兒がふと口を開いた。
「ねぇ、魅音」
「ん?」
「もうすぐクリスマスだね」
ん…?そうだっけ?
でも慧兒が言うならそうなんだよね。
ずっとアパートにいてカーテンも閉められてたから季節さえ分からなかった。
「そうだね…」
私がそう言うと慧兒が叫んだ。
「今年のクリスマスは最高のクリスマスにしてやるからー!!」
「えー?本当に?」
「うん!超楽しみにしてて!」
慧兒が楽しそうに私に話す。
そんな慧兒を見ていると私まで嬉しくなる。
「ありがとう!楽しみ♪」
2人でクリスマスの話をしながらバイトに向かっていると
いつの間にか到着した。
「もう少し話してたかったな…」
ふと言葉にでた。
「え…?」
慧兒が不思議そうに私を見る。
「あ、なんでもないよ!」
「いっぱい予定立てような」
慧兒は私の頬にキスをした。
「…!誰かに見られたらどうするの!」
私が叫ぶと慧兒が悪戯に笑う。
「ははっ、じゃあ今日もがんばりますか!」
慧兒のその一言ですごくやる気が出た。
…クリスマス楽しみだな。