彼は私を狂愛した。
慧兒、結局来なかった...。
なんで...
「魅音ちゃん!」
後ろから声が聞こえた。
「あ、ごとうく...舜!どしたの?」
「慧兒さん、来ませんでしたね」
舜が心配そうに私に言う。
「そうだね...」
「魅音ちゃん、今日帰り一人でしょ?」
舜にそう言われてハッとした。
そうだ。私いつも慧兒と来てたから...。
「うん...」
すると舜が自慢げに言った。
「じゃ、俺送りますよ!」
え、そんなことしたら...
「い、いいよ...」
「俺は大丈夫だから」
舜は強気で私の目を真っ直ぐ見つめる。
そしてギュッと手首を掴まれた。